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子どもが思いっきり遊ぶ場をつくりたい!子どもの可能性がひろがる場所「おかやまプレーパーク」

投稿日: 2016年8月1日
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子どもの頃、近所の公園で思いっきり遊んでいたことを覚えていますか?

 

目をつぶって、小学生の頃を思い出してみてください。「あぶない」「きたない」「うるさい」と止められながらも、遊びに熱中した経験がありましたよね。秘密基地を作ったり、ブランコを力いっぱいこいだり、高いところによじ登ったり、スリルを味わう冒険があるからこそ、遊びは楽しいのです。子どもは経験の中で危険を感じたり、自分の力で選択できるように学んでいきます。

 

でも、今の公園は「してはいけないこと」が多くなり過ぎているように感じます。子どもたちにとって遊びは生きることそのもの。その遊びが思いっきりできる場所をつくりたいという想いで始まったのが「おかやまプレーパーク」です。

 

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おかやまプレーパークは、2002年に初めて1日プレーパークを開催しました。子どもたちが「行きたいときに行って遊べる場所、いつでも遊べる場所」の実現に向けて年2回の開催を続け、2008年から「こどもの森」に場所を移し、週5回の開催をするようになりました。子どもたちを想う人たちで運営されるみんなの遊び場です。

 

 

kubota_03▲こどもの日にこいのぼりを作っている様子

 

 

 

おかやまプレーパークの遊び方

 

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▲水を入れた穴にリヤカーで乗り入れて落とされそうになっている様子

 

おかやまプレーパークは子どもが主役の遊び場です。NPO法人岡山市子どもセンターが岡山市から公園の一画(こどもの森)を借りて、ボランティアの人とともに運営しています。ここでは大人の見守る姿勢を大切にしています。自分に起こった出来事は、自分の責任という考え方が基本です。子どもが好きなように、そして自由に遊びができる場所をつくっていきます。

 

おかやまプレーパークには、プレーリーダーとして「マッキー」こと久保田将裕さんがいます。プレーリーダーとは、最も子どもの目線に近い立場で遊び場に関わる大人であり、子どもが自由に遊び、いきいきできる環境を実現することを目的に行動する人です。

 

 

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久保田将裕さん
広島市出身。2015年に吉備国際大学心理学部こども発達教育学科を卒業しました。2015年にNPO法人岡山市子どもセンターに就職し、おかやまプレーパークのプレーリーダーとして遊び場づくりをしています。

 

2015年4月、NPO法人岡山市子どもセンターに就職した久保田さん。プレーリーダーがいるからこそ、子どもは安心して冒険できます。もちろん、失敗もします。それもいいのです。子どもと一緒に思いっきり遊び、子どもが厚い信頼を寄せる大人。時には、子どもの相談にのったり、ケガや思わぬトラブルにもすぐに対応してくれます。久保田さんはプレーパークに欠かせない存在なのです。

 

「子どもがいきいきと遊ぶことのできる場をつくる」久保田さんの今までの経験とおかやまプレーパークのつながりを明らかにして、遊びの可能性を見ていきます。

 


おかやまプレーパークとの出会い

 

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プレーパークは、1943年にデンマークで誕生した子どものための遊び場です。日本では、現在400以上の地域でプレーパークの活動が行われています。

 

久保田さんは、大学2年生の終わり頃、プレーパークに出会ったそうです。もともと大学に入った理由は、地元で子どもたちと遊ぶことが好きだったから、子どもに関わる仕事をしたい、サッカーもしたいという気持ちで入りました。それで、大学に入って2年目までは幼稚園・保育園の先生になろうと思っていました。しかし、授業で学ぶ「教育」と、自分の「経験」は違っていて違和感を持ったと。例えば、チューリップを塗るのに、黒で塗ったら「ピンクだよ。赤だよ」と先生に言われてしまいます。それが嫌で、「黒で書きたいんだから黒でいいじゃん。」と思ったと言います。

 

“先生の価値観でその色が違うと言われたり、

みんなと同じことをさせられたり、自分はそうさせられない”

 

本当は、遊びの中で1人ひとり別の学びがあるはず。自分がそう考えているのに、子どもに違うよ、こうしなさいは、筋が通らないから、モヤモヤしたと言います。このままでは面白くないと思って、大学の先生に相談しました。そこで、初めてプレーパークを知ることになります。3年生の夏休みに、日本で最初にできた常設のプレーパーク(羽根木プレーパーク)を見て、その考え方に触れて「こっちのほうが楽しい!」と感じたそうです。大学3年生の時に、大学でのプレーパークの立ち上げに関わり、東北で行われた「遊育プログラム(プレーリーダー養成)」に参加しました。それがきっかけで、NPO法人岡山市子どもセンターの人とつながったと語ります。そして、2015年度から現職に就きました。

 

 

遊びが子どもの可能性を広げてくれる

 

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▲月1回のベーゴマ大会。2015年5月の参加者は6人でしたが、2016年4月には28人が参加しました。

 

ある日、小学校6年生の男の子が、初めてベーゴマに触った1年生に出会いました。その子は「厳しいことを言うようだけど、やり続けないとできるようにならないよ」と1年生に伝えていたそうです。そのとき、久保田さんはこんなストレートな言葉は俺には言えないと感じたと語ります。私たちは、子どもが主役、子どものためと言いながらも、意識してないどこかで、大人の目線で見ているのかもしれません。

 

“子どもの環境を作っている大人でさえ、

こっちのほうがいい、あっちのほうがいいとかでごちゃごちゃなる。

子どもはあっさり解決してしまう。”

 

子どもたち同士じゃないと言えない言葉があります。子どもたちは、遊びの中で人との関わり方の本質を突いてくる。ここでは、子どもを見て、「ハッ!」とされる体験がたくさんあり、日々子どもから学ばせてもらっていると言います。

 

ここには大きな滑り台があります。滑り台はあえて階段をつけていません。その理由は、自分でどこから登るのか考え、自分の力で登るためです。

 

“滑り台に登る挑戦は、今日でもいいし、明日でもいいし、

1か月、来年でもいい。登れるようになったときに登れたらいい。

どんな時でも乗り越えていけるんだろうな~

苦しいこと、しんどいことがあっても、楽しいことがあると思ったら”

 

プレーリーダーはただ居るだけではありません。1つ1つの遊びに工夫をしてくれています。子どもが滑り台をしたくても、登れなかったら滑れません。子どもはとても悔しい気持ちになるでしょう。でも、登れるようになったときは、とても嬉しくて、楽しい気持ちになるはずです。

 

 

自分のためにやっていて、結果的に子どもも楽しい!

 

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▲夏限定、滑り台がウォータースライダーになります。

 

ここでは、子どもたちも、久保田さんも、思いっきり遊びます。思いっきり笑ったり、騒いだり、泥だらけになったり、時には喧嘩したり、泣いたりと気持ちを表現することがとても大切だと思います。「自分はこうなんだ!」と自分を表現していくからこそ、自分に自信ができて「自分はこれでいいんだ!」と遊びの中で気づいていくと語ってくれました。

 

“子どもがプレーリーダーとして認めてくれたらいい。

子どもが主役の場所であることを尊重する・・・忘れてはいけない。”

 

このプレーパークには、まだ出来ないことがたくさんあります。火は使えなかったり、遊具は片づけないといけなかったり、秘密基地もその日だけです。「できれば、秘密基地をそのままにしていたり、火を使えたりできる遊び場にしていきたい」と言います。

 

遊びは子どもたちが持つ「無限の可能性」を広げてくれます。その遊びを思いっきりできる場所「おかやまプレーパーク」。子どもたちが遊びの中で何を経験していくのでしょう。想像するだけで楽しくなりますね。

 

おかやまプレーパークに行くと、「熱い想い」と「遊び心」を持った久保田さんがいます。

ロープ、穴掘り、水遊びなど、ここでやってみたいこともあれば、ぜひ声をかけてみてください。そこから遊びがはじまりますよ。

毎月1回ベーゴマ大会もやっています。次回は9月18日(日)です。

この機会に、子どもたちの遊びをいちばん近くの席で見てみませんか?

 

おかやまプレーパークの開催日時は、毎週水~日曜日です(月・火曜日はお休み)。

また、開催時間は季節によって変わります。

4~9月は10時~17時、10~3月は10時~16時です。

ライターについて

こうき
こうき
1992年岡山市生まれ。岡山市在住。2014年に関西国際大学人間科学部卒業。 2016年にアプトという団体を立ち上げ、対話を通じて「地球にやさしく遊びがある未来」を実現することをミッションに、協力・協働・共創が生まれる場づくりを行っている。